団信が生命保険代わりになる住宅ローン不動産投資
住宅ローンは住宅購入だけでなく、不動産投資にも使えます。
この時、団体信用生命保険への加入が必須になるのですが、これは、住宅ローンを利用する最大のメリットでもあるのです。
本稿では、住宅ローンに伴って団体信用生命保険に加入することで得られるメリットについて解説していきます。
目次
団体信用生命保険とは?
団体信用生命保険(以下、団信)とは、住宅ローンを組んだ人が死亡したり、働けなくなった時、保険金によって住宅ローンを完済するためのものです。
住宅ローンは、契約者の給与所得で返済する前提で組んでいます。
このため、契約者が死亡したり、高度障害状態によって働けなくなったりした場合には、住宅ローンの返済ができなくなるため、団信からの代位返済が必要となるのです。
団信への加入は必須?
住宅ローンで不動産投資を始めるならば、団信への加入が必須となります。
もっとも、住宅金融支援機構が提供するフラット35などの住宅ローンならば、団信に加入するか、その他の生命保険に加入するかを選択することができるため、必ずしも団信に入る必要はありません。
しかし、住宅ローンで不動産投資を始める場合には、フラット35ではなく、各銀行が独自に提供している「銀行系住宅ローン」を利用することが多くなります。
というのも、フラット35では物件価格の1割が頭金として必要となり、その他の諸費用も自己資金で賄う必要があるからです。
一方、銀行系住宅ローンで借りるならば、全額ローンを組むので自己資金ゼロからの不動産投資が可能です。
1割の頭金と諸費用で数百万円の自己資金が必要となることを考えると、必然的に銀行系住宅ローンを利用する人が多くなるでしょう。
銀行系住宅ローンを組むならば、基本的に団信への加入が必須となっているため、住宅ローンで不動産に投資をするならば団信に加入することになると思います。
団信に加入するメリットとは?
団信に加入することは必須ですから、メリットとデメリットを深く考えることなく、加入する人が非常に多いものです。
しかし、住宅ローンで不動産投資を始めるならば団信は必須です。
せっかくならば、メリットを認識しておくほうが良いでしょう。
団信に加入するメリットには、以下のようなものがあります。
生命保険代わりになる
まず、団信を生命保険替わりにすることで、保険料の節約を図ることができるメリットがあります。
上記の通り、団信に加入しておけば、万が一の際に住宅ローンの残債を全て保険料で賄うことができます。
したがって、ローンを完済していないからと言って、その不動産を差し押さえられることはありません。
その後も賃貸を続けて、残された配偶者や子供の収入にすることもできますし、残された人が住むこともできます。
保険料の高い生命保険に入らなくても、「数千万円の価値のある不動産が残る」団信だけで十分という考え方もあります。
税金対策になる
団信に入らなくても、別途生命保険に加入しておけば、万が一の場合にも問題ないと考える人もいると思います。
しかし、生命保険に加入していた場合には、契約者の死亡その他の際に保険金を受け取ると、一時所得として税金が課せられてしまい、受け取れる金額が目減りします。
これに対し、団信は保険金を現金として受け取るのではなく、保険金を返済に充てることで残債をゼロにする保険ですから、所得とはみなされませんし、課税もなされません。
生命保険代わりになる上に税負担がないということも、大きなメリットです。
保険料が無料の場合がある
団信に加入するにあたり、保険料の支払いを求められることがあります。
この時の保険料は、借入総額に対して年率0.3%程度であり、ローンの返済が進むにつれて保険料も低くなっていきます。
団信の保険料は、一般的な生命保険よりも割高な場合が多く、保険金受取時の課税を考慮しても生命保険のほうがお得というケースもあります。
このため、団信への加入が必須であり、保険料もまともに支払うならば、団信はデメリットになることもあります。
しかし最近では、銀行系住宅ローンで借り入れて団信に加入する場合に、銀行が保険料を負担してくれるケースも増えてきました。
そのような団信を利用すれば、保険料を支払う必要がなくなります。
団信に加入するメリットは大きい!
以上のことをまとめると、団信に加入することによって、団信を生命保険替わりにすることができるというメリットがあり、これは通常の生命保険に比べて、所得とみなされることがなく課税もされないというメリットがあります。
さらに、銀行によっては保険料が無料になることもあります。
そのような住宅ローンを組めば、保険料が無料で、保険金受取時に課税もされない保険に加入できると言えます。
住宅ローンを組んで不動産投資を始める場合、非常に多くのメリットがありますが、その一つとして団信によるメリットも大きいです。
保険料無料の生命保険に入るようなものですからね。
住宅ローンは、単に自宅の購入に活用できるだけのものではありません。
団信への加入も含めて、不動産投資に活用してこそ、そのメリットを100%活かせると言えるでしょう。
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